木漏れ日のラトビア 黒沢歩著 新評論
2005年 03月 16日
ラトビアに滞在10年を数える日本人女性によるラトビア考察。旧ソ連体制が崩壊し自由主義に移行して揺れ動くラトビアの様子を綴っています。
近代から現代にわたるラトビアの変遷がよく見えてきます。ラトビア人の国民性、歴史、民族の支えの歌、さらにはソ連崩壊後のラトビア国内のロシア人との葛藤及び政治のあり方等、著者の体験談も交えて語られる真のラトビアの姿がここにあります。
バルト3国と一くくりにされがちですが、この本を読んでラトビアの独自性が多少なりとも理解できてきたように思います。国民性一つとっても、隣の国リトアニアとも違うと分かりました。また、国民総人口の30%をロシア人が占めるため、対ロシア感情もリトアニアとラトビアとでは大きく異なります。現在のラトビアの姿を知りたい人に是非おすすめの一冊です。
by traku7
| 2005-03-16 05:27
| Books